松井康成1927-2003

長野県生まれ。本名 美明。
笠間の古刹である月崇寺の住職を務めつつ、境内に築窯して本格的に陶芸を始めました。初めは中国や朝鮮の古陶磁の倣いで様々な作手を製作していましたが、田村耕一氏の練上手に絞った方がよいというアドバイスを受けて、練上手の追求者として活動しました。
少量でも発色の良い呈色剤の開発、乾燥や焼成の収縮率を均一化した土の発明し、色彩豊かな練上を可能にしました。技法としても、刷毛や櫛で傷をわざとつけて表情を出す「嘯裂」や、ミルフィーユ上に色土を重ねた上で傷を付けて別の色を引き出す「象裂」、色土を様々な形で積み重ねたり嵌め込んだ「堆瓷」、サンドブラストで表面をわざと風化させる「風白地」、ニュージーランドの純白な土を使った「晴白地」、特殊な釉薬による光沢を付けた「萃瓷」など様々な技法を生み出しました。1993年に「練上手」の分野で人間国宝に認定されました。