加藤土師萌1900-1968

愛知県生まれ。本名 一。
製陶業の図案家として経験を重ねる一方で、荒川豊藏氏の古志野陶片発見に影響され、古陶磁の研究も行いました。帝展に工芸部門が新設されると作家として出品し、1937年にはパリ万国博覧会にて大賞を、1959年にはブリュッセル万国博にてグランプリを受賞しました。こういった活動は、生活雑器を作る職人から陶芸家への転身を招き、美濃陶芸発展の基礎を作り出しました。
織部や志野の日本の作手から、白磁・青磁・辰砂・染付などの中国陶磁まで幅広く手掛けました。その中でも、中国明代の五彩・黄地紅彩・金襴手などの磁器の上絵付の作品は、知的で優美で高い評価を受け、1961年に「色絵磁器」の分野で人間国宝に認定されました。東京藝術大学の教師としても活躍し、多くの作家に影響を与えました。
パブリックコレクション
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、岐阜県現代陶芸美術館、岡山県立美術館、瀬戸市美術館、ポーラ美術館、ボストン美術館