楠部彌弌1897-1984

京都府生まれ。本名 弥一。

父は輸出用陶器を製造する工場を経営しつつ、京都画壇の画人として活躍しており、その影響を受けて幼少期は画家を志していました。その後は父の勧めもあり、京都市陶磁器試験場付属伝習所に入所し、京焼の美意識を学びました。卒業後は、個性ある自由な陶芸を目指して赤土社を結成しました。伝習所の卒業直後の陶磁器青年会での入選を皮切りに帝展などでも入選を重ねるとともに、パリで開催されたアール・デコ博覧会や万国博覧会で受賞するなど、国内外で高く評価されました。

白磁・青磁・染付・均窯・色絵など幅広い作手を手掛けましたが、その中でも自身が開発した、磁土に顔料を混ぜた絵具を塗り重ねることで立体的な文様を生み出す「彩埏」の作品は、パリの美術館で展示会を組まれるほどに世界を魅了し、1978年には文化勲章を受章しました。
パブリックコレクション
宮内庁、迎賓館、京都国立近代美術館、国立工芸館、京都府立総合資料館、広島県立美術館、北海道立函館美術館、京都市美術館、神宮徴古館、敦井美術館、奥内陶芸美術館、高島屋資料館、メナード美術館、平安神宮、四天王寺、ファエンツァ国際陶磁器博物館