松田権六1896-1986

石川県生まれ。
小学校に入学して間もなく蒔絵の修行を始め、東京美術学校に入学する前には成熟した技術を有していました。東京で芸術を学ぶ中で、西欧化する日本の暮らしと、これまでの日本の暮らしを支えてきた漆芸との調和を考えるようになりました。その後、同校で指導に当たりながら、客船の室内装飾や、帝国議会議事堂御便殿(現、御休所)の室内装飾などを手掛け、現代生活の先端で漆芸の可能性を追い求めました。
第二次戦後の混乱の中で廃れゆく伝統工芸の復興、文化財保護を掲げ、中尊寺金色堂や正倉院宝物の調査保全に努める中で、古の技術などもより取り込んでいきました。螺鈿や平文などの古典技法を現代化させ、漆聖と称えられ、1955年に「蒔絵」の分野で人間国宝認定され、1976年には文化勲章を受賞しました。
パブリックコレクション
東京国立近代美術館、石川県立美術館、石川県輪島漆芸美術館、広島県立美術館、香川県漆芸研究所、東京藝術大学大学美術館、イセ文化財団、韓国国立中央博物館