加藤卓男1917-2005

岐阜県生まれ。五代加藤幸兵衛氏の長男。
第二次大戦後に、イランの古窯や国立考古学博物館を訪ねたことをきっかけに、幻とされたラスター彩陶器の復元を志しました。以降、30年に発掘調査や焼成実験を繰り返し、錫白釉と銀・銅の顔料絵付けと還元焼成を行うことで再現に成功し、国内外で名声を獲得しました。
その一方で、美濃焼窯の跡取りとして美濃焼の復興にも尽力する中で、織部とペルシア、唐三彩の繋がりを研究し、正倉院三彩の復元を文化庁から委託を受け、それに成功しました。正倉院三彩の復元の功績から、1995年に「三彩」の分野で人間国宝に認定されました。ラスター彩、三彩、志野、織部、瀬戸黒と他に類を見ないほどに多くの作品に取り組み、国内外から多くの門弟を抱え、後進の育成にも取り組みました。
パブリックコレクション
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、岐阜県美術館、岐阜県現代陶芸美術館、広島県立美術館、呉市立美術館